― アカデミックの世界で進む研究と、実環境で求められている視点 ―
近年、建築・環境工学分野を中心に、 室内空気質(Indoor Air Quality:IAQ) に対する関心が世界的に高まっています。
省エネルギー化や高気密・高断熱化が進む一方で、 室内に滞留する化学物質や揮発性有機化合物(VOC)が、 健康リスクとして再認識されるようになっています。
IAQ研究の中心は「換気+材料+化学物質」
アカデミックなIAQ研究では、単一の対策ではなく、
- ●換気設計
- ●建材や内装材からの放散物質
- ●室内で起こる化学反応
を総合的に捉える視点が主流となっています。
特に注目されているのが、
- ●ホルムアルデヒド
- ●TVOC(総揮発性有機化合物)
といった、低濃度でも長期暴露が問題となる物質です。
光触媒はIAQ分野で「補完技術」として研究されている
IAQ分野における光触媒研究では、 光触媒を「空気清浄の万能技術」として扱うのではなく、
- ●換気を前提とした補助的手段
- ●建材表面での反応制御技術
として位置付ける考え方が一般的です。
近年の研究では、
- ●室内の低照度環境での反応性
- ●表面に形成された光触媒膜の持続性
- ●副生成物の発生有無
といった点が重点的に検討されています。
「分解」という表現に対する学術的な整理
IAQ研究においても、光触媒反応は単純な「分解」ではなく、 酸化反応の連続過程として捉えられています。
そのため、
- ●反応途中で生成される中間生成物
- ●室内空間における再放散の可能性
について慎重に議論されています。
この流れから、 光触媒効果を過度に単純化しない表現が 学術的にも重要視されています。
室内環境における「持続性」と「管理」
IAQ分野では、短期的な効果よりも、
- ●長期間にわたって性能が維持されるか
- ●室内汚染物質の付着による失活
- ●清掃や管理との関係
といった、運用を含めた視点が重視されています。
光触媒膜の寿命や効果は、 室内の使用状況や環境条件によって変化するため、 一律の数値で語ることは難しいとされています。
[上図: パルクコートVLAGコーティングによるシックハウス対策]
効果評価と測定の考え方
IAQ研究では、
- ●ラボ環境での試験
- ●実際の居住空間での測定
を分けて評価する必要性が指摘されています。
実環境では、
- ●温度・湿度
- ●換気回数
- ●人の出入り
といった多くの要因が影響するため、 測定結果の解釈には注意が必要です。
PALCCOATのIAQに対する考え方
PALCCOATでは、IAQ対策として光触媒を用いる際、
- ●室内環境全体の設計を前提とする
- ●光触媒を補完的な技術として位置付ける
- ●測定結果を過度に誇張しない
ことを基本方針としています。
室内空気質の改善は、 単一の技術で完結するものではなく、 複数の要素を組み合わせて考えるべき課題だと考えています。
今後もPALCCOATでは、 アカデミックな知見と実際の施工・運用をつなぐ形で、 IAQに関する情報発信を続けてまいります。
[左グラフ: 実環境条件下での
パルクコートによるホルムアルデヒド空気浄化(JIS試験)]
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