第15回 光触媒シンポジウム

12月2日、KSPホール(かながわサイエンスパーク)にて、第15回光触媒シンポジウムが、開催されました。

光機能材料研究会会長の藤嶋昭先生(神奈川科学技術アカデミー)の挨拶より始まり、招待講演が5講演、研究発表が81件、サンプル展示6件と、光触媒の応用や更なる高活性への研究など熱のこもった発表が続きました。やはり注目は、室内光に反応する可視光型光触媒の研究で2007.7.10 第7回光触媒研究討論会で高性能な酸化タングステン系光触媒による有機物分解(産業技術総合研究所 佐山 和弘)の発表以来、新たに「酸化タングステン」を用いた様々な研究が多く、熱のこもった発表が続きました。中でも、実用可視光応答光触媒Cu(Ⅱ)/WO3,Fe(Ⅲ)/WO3, WC/WO3、高感度可視光応答光触媒の設計指針(東大院工 橋本和仁先生)、酸化タングステンをベースとした高活性可視光応答光触媒の開発(北大触媒化学研究センター 阿部竜先生)が注目を浴び、サンプル展示では、昭和タイタニウム㈱様が可視光応答光触媒Cu/TiO2・Cu/WO3の製造を発表、来年中には販売が開始される予定とのことで、室内においては状況により紫外線ランプの併用などビジネス的に今一つ難しかったが、酸化タングステンベースの可視光型光触媒により市場拡大に期待が高まります。ただ、酸化タングステンは酸化チタンに比べ高額なので供給価格に心配が残ります。

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